Yahoo!の爆速経営 レヴュー
爆速経営 新生ヤフーの500日
著者は蛯谷 敏さん
カリスマ的経営でヤフーを牽引していた当時のCEO井上雅博氏から宮坂学氏への社長交代劇、そして抜擢された宮坂氏が現在まで行ってきた改革、ヤフーが「爆速」と呼ばれるまでの記録が書かれた書籍です。
ヤフーが大企業の割には、最近になってものすごく早い(爆速な)動きをしているなと思い、その裏側を知りたくなったので読みました。
以下、まとめと感想。
■井上さんのような経営はできない
前社長の井上さんは大局観を持ち合わせており、トップダウン型の経営スタイルだったそうですが、宮坂さんは全く逆です。
宮坂さんのマネジメントの本質を簡単に表すと、
「原理原則で動かす」になると言います。
意思決定をする判断のよりどころとなるルールを公開し、社員に周知させたうえで事業を進めるスタイル。
つまり社員が自律的に動く、ルールに基づく権限委譲型のマネジメントを目指したそうです。
本を読みながら、最近の経営者はこういったタイプの人が多いのではないかなと感じました。
パナソニックの松下幸之助さんは体が弱く苦労したそうですが、周りの人に助けてもらってあそこまで大きな企業になれたと聞きますし。
最年少で一部に上場したリブセンスの村上太一さんや、ジャスダックに最年少で上場した家入さんも、こういったタイプだと思います。
本当に「事業は人なり」なのでしょうね。
■宮坂さんが秀でている能力
宮坂さんは難しいことや分かりにくいことを、キャッチーな言葉に置き換えるのが上手いという特徴があります。
そういった中で生まれた言葉として、
- 「爆速」
- 「まず、登る山を決める」
- 「課題解決エンジン」
- 「10倍挑戦、5倍失敗、2倍成功」
といったものがあります。
■目標の重要性
書籍の中で、目標設定のさじ加減についても重要だと書いてあります。
「容易に達成できる目標では思うような成長は望めない。
反面、最初からあまりにもキツい設定では、早い段階での士気の低下が避けられない。」
そうした中で出た結論が、「201X年までに、営業利益を2倍にする」。
ですので、ヤフーは現在改革真っ只中の状態です。
今後のヤフーが楽しみです!
次は最近会った人に勧められた「影響力の武器」か、
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エリック・シュミットの初の著書「第五の権力」を読もうかと思います。
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